代打の神様になりつつある。オリックスの助っ人アダム・ジョーンズ外野手(35)が今季、代打で“神成績”を残している。

今季の代打成績は11打数7安打の打率6割3分6厘。6四球も選んでおり、出塁率は驚異の7割6分5厘。4回に3回は出塁できている計算で、試合終盤の「切り札」としてベンチに控えていると、存在感はピカイチだ。

MLB通算1939安打&282本塁打の“本物助っ人”の集中力は半端ない。コツンコツンとバットの先端をつま先で2度キックしながら打席に入り、ガムをかみながら両腕を揺らしてリズムを取る。神経を1打席に研ぎ澄ませ、ボール球には手を出さず、悠然と見送る。外角変化球に手が出かけても、必死にバットを止め一塁塁審にハーフスイングを“していないアピール”で場内を沸かせる。

中嶋監督は「代打のとき、すごい集中力を感じる」と終盤の1打席にも期待を寄せる。18日から始まる楽天との首位攻防でもここ一番での一撃を狙う。

「チームのために、なんとか貢献したいと思っている。チームの勝利のためにプレーしている。個人のことは深く考えていない。W(勝利)がつけばいい」。ジョーンズが、勝利のマインドを植え付ける。最前線にいなくても、チームを支えていく存在に違いない。【真柴健】