両軍合わせて30安打23得点の壮絶な乱打戦で、広島の「44」が輝きを放った。高卒3年目の林晃汰内野手(20)が5番三塁で先発し、「やってやろうと」と、ともにプロ初の4安打4打点と大暴れ。今季最多17安打12得点の打線をもり立てた。

勝負強さは群を抜く。初回2死一、二塁から初球打ちで左翼線へ先制の2点適時二塁打。同点の3回無死一、三塁では一、二塁間を破る勝ち越しタイムリーを放った。5回に左前打を記録すると、とどめは7回。「3本打っていたので、思い切って振ってみようと思った」。追い込まれてから外角高めの変化球を左中間席へ運ぶ3号ソロをかました。打率は4割8厘で、得点圏打率は驚異の6割9分2厘を誇る。智弁和歌山で高校通算49本塁打を記録した長打力が開花中だ。

主砲の助言に背中を押された。好調で迎えた交流戦のソフトバンク、オリックス戦では21打席で2安打と苦戦。14日からの西武戦の試合中に鈴木誠から「調子が悪くなると打ちにいけなくなるけど、思い切って打ちにいく形は続けた方がいい」と言われたという。「そこでまた思い切っていけた」と、15日から4試合連続のマルチ安打と再び息を吹き返した。

20日は父の日。「こうやって元気に野球をやれているのも両親のおかげ。しっかり感謝して明日『ありがとう』と言いたいと思います」。活躍が何よりの親孝行だ。【古財稜明】

◆林晃汰(はやし・こうた)2000年(平12)11月16日生まれ、和歌山県出身。智弁和歌山では2年夏、3年春夏と甲子園に出場し、3年春には準優勝。18年ドラフト3位で広島入り。昨季は2軍戦でチーム最多の69試合に出場し、すべて4番で起用され9本塁打を放った。182センチ、99キロ。右投げ左打ち。

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