2522日ぶりの首位だ! オリックスが10年ぶりとなる破竹の8連勝で、楽天と並び7年ぶりに首位に立った。高卒2年目の宮城大弥投手(19)が8回5安打無失点でリーグトップタイの7勝目。プロ初のスライド登板となった父の日に、19歳の丸刈り左腕が新人王争いのライバル・楽天早川に投げ勝った。96年以来25年ぶりのリーグ制覇へ、オリたちが熱い。

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10日前に長髪から五厘刈りにした宮城が、コクリとうなずいた。3点リードの8回2死一、二塁。楽天鈴木大を外角低め107キロのカーブで泳がせ、二ゴロに打ち取った。勝負の3球連続カーブ。「自信を持ってきたからこそ投げられた。頼れるボールが1つ増えた」。最大のピンチを切り抜け、8回5安打無失点でリーグトップタイの7勝目。7年ぶりの首位へ導いた。

1年目の昨夏。当時の中嶋2軍監督から「空振りを取れる率が低い」と指摘された。直球とスライダーを組み合わせる投球に一新。先輩投手陣に聞きまわり、新球種フォークにも挑戦。「新球種があれば投球の幅が広がる」とカットボールにも着手したが「難しい…。ボールがいうことを聞かない。曲がりが大きくスライダーになる」とうまくいかない。チェンジアップも試し、球速差をつけた2種類のカーブも学んだ。

試行錯誤の末に、重要な球種となったのがカーブだ。昨季に現役を引退した飯田ブルペン担当補佐が「最初にカーブを使ってくれた」と感謝する。今季コンビを組む伏見と改良し「緩い球は飛ぶので、絶対、打たれると思っていたんですが…。意外とタイミングを外せている」と効果を実感。この日も楽天打線を翻弄(ほんろう)した。

新人王を争う早川に対し、直接対決で2連勝。球種や2段モーション、左右で変えるプレート位置に、腕の振る角度…。全てで打者を幻惑する。成長著しい左腕が25年ぶりリーグ制覇へチームを引っ張る。【真柴健】

▽オリックス・ロメロ(6回に追加点となる適時打)「フルカウントからインコースのカットボールで詰まっていたけど、いいところに飛んでくれたね」

▽オリックス・モヤ(6回に先制打)「安達が(犠打で)いい仕事をしてくれていたし、最低限、ランナー1人をかえせるようにと。自分の仕事ができてよかった。ロメロのタイムリーにもつながってくれてよかったね」