低めの緩い球をグッと我慢してかち上げた。巨人岡本和真内野手(24)が、4年連続の20本塁打を決めた。2点リードの3回1死一、二塁、連続四球の後の初球。ヤクルト石川の変化球を下半身から押し込んで、96キロの体重をボールにぶつけた。バックスクリーン直撃の20号3ラン。「いい手応えでした。追加点が取れてよかったです」。王貞治、松井秀喜という輝かしすぎるレジェンドに肩を並べたが「チームのために1本でも多く打てるように頑張ります」と淡々とフォア・ザ・チームの精神を強調。ベンチに戻るとテンション“チョイアゲ”でチームメートと喜びを共有した。

キャンプ中に「選ばれたいという思いはある」と明かした東京五輪メンバー入りは逃した。交流戦を終え、同メンバーが発表された16日以降は、試合前時点で17打数3安打。この日視察に訪れた侍ジャパンの稲葉監督、同じ三塁手として侍戦士に選出されたヤクルト村上の前で、鬱憤(うっぷん)を晴らすかのようなド派手な1発を見舞った。7試合ぶりのアーチで本塁打はリーグトップの村上に2本差に。原監督は「取り組む姿勢という点では非常に日々、きちんとやっていますね」とたたえつつ、「もう少し(目標は)高いと思うよ」とさらなる大台到達を期待した。

主砲の一打でチームにも“アゲアゲ”ムードが充満する。今季2度目の5連勝で、貯金は今季最多の10。18日には8ゲーム差をつけられていた首位阪神に、1週間で4・5ゲーム差まで詰めた。主砲のバットがチームをぐいぐいと押し上げていく。【小早川宗一郎】