虎のしっぽを射程圏に捉えた。巨人がヤクルト3連戦をスイープし、今季初の7連勝でシーズンを折り返した。同点の6回に主砲岡本和真内野手(24)が決勝の21号3ランで勝ち名乗りを上げた。先発高橋優貴投手(24)は6回2失点で同僚の戸郷に並びリーグトップタイの8勝目をマーク。連日、投打がかみ合ったペナント大本命の巨人が首位を走る阪神と2・5ゲーム差に肉薄した。

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日曜日には楽しみがあった。高橋が夢を追って野球に打ち込んだ東海大菅生時代。寮生活で自由な時間は限られていたが、日曜日の夕方の約3時間だけは違った。寮の夕飯が出ないため、1週間で唯一、外出が許される。高橋を含む部員は決まって3キロほど離れた大型ショッピングセンターへ自転車を走らせた。「あの時間は楽しみでしたね。チームメートとご飯とか食べて。自転車で行くんですけど、向かう時はワクワクでした」。

野球漬けの日々の中で心と体がリラックスできた。フードコートで仲間たちとの食事。ルンルン気分の道中。なんてことない青春を日曜の夕方に堪能していた。

プロ入り後も日曜日にはご褒美が待っていた。日曜日のプロ通算成績は5戦で3勝0敗、防御率1・31は曜日別トップをマーク。この日も2回以降毎回安打を許す展開も粘りの投球で2失点にとどめ、戸郷に並ぶ8勝。6月までに2人が8勝以上を挙げるのは92年の斎藤雅樹(9勝)槙原寛己(8勝)以来、球団29年ぶりとなった。「絶対的な球があるわけではないので安打は出る。すごくコントロールが良いわけではないので四球も出る。それは頭に置いて、焦らず次打者を抑える意識で投球できている」と振り返った。

先週の日曜日、7勝目を挙げた20日阪神戦は父の日だった。愛娘に大好きなニューバランスのスニーカーをプレゼントされた。勝利して、ルンルン気分で家に帰れば家族の笑顔が待っている。やっぱり日曜日は格別だ。【小早川宗一郎】

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