若大将の誕生祭だ。巨人岡本和真内野手が24歳のラストナイトに大暴れした。1回に右翼席へ22号同点2ランを放つと、同点の8回にリーグトップに並ぶ23号決勝3ラン。2発を含む3安打、6打点、2四死球で打って、歩いて、当たっての大車輪の活躍でチームを今季最多の8連勝へと導いた。自らの誕生日の“前祝い弾×2”で4戦4発。愛くるしいビッグベイビーから若大将に成長した主砲が頼もしい。

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岡本和がすごい。同点の8回2死一、三塁。広島森浦の初球チェンジアップを左中間席へ軽々と放り込んだ。リーグトップタイの23号決勝3ラン。ベンチに戻ると、総立ちで大盛り上がりのチームメートから祝福された。仏頂面で生還した若大将は、ベンチでは肩をすくめていたずらな笑顔が輝いた。「どさくさに紛れて打ちにいこうと思ってたので、その結果、本塁打になって良かった」とお立ち台で岡本節もさく裂。23日ぶりに帰ってきた東京ドームを盛り上げた。

滑り出しから躍動した。1回2死一塁では右翼席へ22号同点2ラン。2点を先制されて出ばなをくじかれたとき。終盤で連勝ストップもちらついたとき。ここぞの打って欲しいとき。チームの雰囲気をガラッと変えるスーパーな一打を放つ。巨人の4番たる堂々の活躍ぶりが続く。

この日は24歳として最後の日だった。30日に25歳の誕生日を迎える。自らの記念日を華々しく前祝い。試合後の取材で自分自身へのご褒美を問われると「特に考えてないんですけど。皆さんからの誕生日プレゼント、ちょっと待ってますね。今ここに映っている人たちの」と、PCの画面越しの報道陣にきっちりプレッシャーをかけた。

24歳の1年間で、ちょうど50本のアーチを描いた。印象に残る1本として「サヨナラホームランはプロに入ってから打ったことなかったんでうれしかったです」と5月9日ヤクルト戦で放ったプロ初のサヨナラ弾を挙げた。

4番の大車輪の活躍でチームは今季最長の8連勝を達成。25歳も打ちまくる。誕生日、おめでとう。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(乱打戦を制し今季初の8連勝)「今日はミスが多かったですけどね。最終的に勝てたというのは非常に明日への活力になると思います」

▼岡本和が2本塁打で6打点。1試合6打点は今年の6月12日ロッテ戦に並び自身最多タイ。6月は9本塁打、28打点となったが、月間9本塁打は19年8月、21年5月に並び3度目、月間28打点も18年8月に並ぶ自身最多タイ記録だ。岡本和は2ランが8本、3ランが7本と走者を置いての1発が多く、これで今季は72安打で72打点。過去にセ・リーグでは規定打席に到達して安打数より打点数の多い選手がおらず、安打数と打点数が同じ選手もいない。岡本和が珍記録をつくるか。

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