虎の子1点で虎を沈めた。巨人が1-0の完封勝ちで阪神に競り勝った。8回に大城卓三捕手(28)が値千金の左前適時打で1点をもぎとった。先発高橋優貴投手(24)は7回1安打無失点の快投でハーラー単独トップの9勝目をマーク。女房役の大城が構えるミットに丁寧かつ、テンポ良く81球を投げ込み、猛虎打線を沈黙させた。敵地から価値ある2勝を持ち帰り、首位阪神と1・5ゲーム差に肉薄した。

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追い込まれたオオシロサンが殊勲打を決めた。8回1死三塁。阪神西勇にあっさりと2ストライクに追い込まれた。顔の前で飛び回るハエを手で払い、一打に集中力を高めた。「なんとかしようと。その気持ちだけ」。バットは指1本、いや、指2本、短く持った。「2ストライクまでよりは短く持ちました。なかなかチャンスが作れない中で、いいチャンスが回ってきたので食らいつきました」と133キロスライダーをしぶとくはじき返し、前進守備の三遊間を抜いた。

通常は右足を大きく上げる1本足打法だが、決勝打の1スイングだけは違和感たっぷりのノーステップ打法に切り替えた。原監督は「え~、大谷君のまねをしたそうです(笑い)。みんながベンチでそう言ってたと。そうなんだなと(笑い)」と大きな目を見開いて明かした。日米球界の話題を独占するエンゼルス大谷の打法を勝負どころで拝借した。

マスクをかぶった東海大相模出身のオオシロサンは、東海大菅生出身の高橋を息ぴったりの好リードを披露。「両コーナーに制球されて、高さも低くきていたので内野ゴロが多かった。ナイスピッチングでした」と相棒をたたえた。大城が大きな一打で大きな1勝をもたらした。【為田聡史】

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