また甲子園の空気を変えた。阪神佐藤輝明内野手(22)が、3点ビハインドの2回にDeNA坂本からチーム初安打となる二塁打を放った。

初球だった。真ん中寄りに入った内角142キロ直球を中堅左にはじき返した。少し詰まったように見えたが、強烈な打球が飛んでいった。快足を飛ばし、二塁を陥れた。

さらに4点ビハインドの7回無死二塁では、追い込まれてから外角スライダーに腕を伸ばし、一、二塁間を破った。3点差に迫る適時打。自身6試合ぶりの打点で、この回まで3安打に抑え込まれ、静まり返っていた甲子園を沸かせた。

3度目のスタメン落ちとなった前日12日は、9回2死一塁でプロ初の代打安打。その後の4連続適時打につなげ、3点差をひっくり返すサヨナラ劇の火付け役となった。「価値あるヒットになったと思います」と1球の大切さを再認識。「6番右翼」で2試合ぶりにスタメン復帰してマルチ安打で存在感を示した。