水戸が「あと1球」に泣いた。互いに好守備を連発した好ゲーム。ともにワンチャンスをものにして3-3から、6回裏に2死二塁から、エースでこの試合を投球回数制限で投げられなかった8番額川康一(3年)が、中前に勝ち越しの適時打を放ち、ベンチが沸いた。

しかし、最終7回表、ここまで好投してきた先発乾健斗(3年)が先頭に死球で出し、なんとか2死までこぎつけたが、9番打者に四球を与えて一、二塁となったところで富田光陽に交代。富田は1番打者を0-2と追い込んだが、ウエストするはずのストレートが少し中に入ったところを右前にはじかれ、右翼手が後ろにそらす間に打者走者も生還。3点を失って、まさかの逆転負けになった。

渡辺美徳監督は「1球の怖さですね」と振り返り「ここまで選手たちはよくやったと思います。チームワークができてきて、日々成長してくれました」とねぎらった。津田誠宗主将(3年)は涙声で「硬くなっていたのかもしれません。1点をリードして、気が緩まないようにしたのですが…。このチームならもっと上に行けた。悔しさしかないです」と声を絞り出した。