<西武0-5楽天>◇13日◇メットライフドーム

リスタートだ。楽天オコエ瑠偉外野手(24)が19年9月26日西武戦以来、2年ぶりの1軍公式戦出場で決勝の先制適時打を放った。2回無死二塁の第1打席で中前へ。昨季は5年目で初の1軍出場なしに終わり、今年2月には左手首の手術も経験。困難にぶつかりながらも、東京五輪女子バスケットボール日本代表として銀メダルを獲得した妹桃仁花(22)にも背中を押され、復活を遂げた。

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「やる気しか無い」。6月30日、イースタン・リーグのヤクルト戦。オコエは途中出場で今季初実戦に臨み、1安打を放った。試合後、球団SNSの企画でファンへの思いを求められ、こう記した。

人影の少ないファームで懸命に汗をかいた。2月に左手首を手術。できることは何か。「プロに入って一番走った」と外野ポール間をひたすら走り込んだ。垣内育成打撃コーチらとともに、打撃フォームも見直した。「2年目の頃のタイミングが一番合っている。今年はトップが取れているのでボールの見逃し方も良くなった」と変化を感じる。

大村ファームディレクターも「素直な子。話していくうちに何でも言ってくれるようになった。ただ、誤解はされやすい。人間的にも選手としても成長は必要だが、しっかりと正しいことをやってくれたら」と背中を押す。必死に、懸命に、がむしゃらに。白球と向き合い続ければ、いつか必ず花開く。【楽天担当 桑原幹久】