不敗を続けた。ヤクルト奥川恭伸投手(20)が、リーグ再開初戦のマウンドで、自己最長の7回を4安打1失点。同最多タイの9奪三振で5勝目を挙げた。チームは今季最多の貯金11。「久しぶりの公式戦。地元からも近くて、声援が元気に変わりました」と笑顔を見せた。

ハードオフ新潟は、宇ノ気中3年時に全国中学校軟式野球大会で優勝を決め、18年星稜(石川)2年秋の北信越大会でも優勝し、センバツ出場を決定付けた思い出の球場。2回先頭の宮崎に145キロ直球を右翼ポール際に運ばれ、4回までは毎回安打を許した。それでも「ここ(新潟)だったら負けないんだと思いながら投げていました」と自らを奮い立たせた。

5回先頭の牧に対しては、初球からスライダーを3球続けた後、外角低めいっぱいに151キロの直球で見逃し三振。打者をかわしながらも、勝負どころでギアを上げた。5回以降は安打を許さず、88球で降板。「ピンチの時こそ腕を振って投げようと思ったので、それがうまくいった」とうなずいた。

故郷石川とは同じ北信越の地。両親が、プロ初登板だった20年11月10日広島戦以来の応援に駆けつけてくれた。「なんとか勝った姿を見せたいと思っていたので良かった」。新潟の地と両親に、成長した姿を見せた。【湯本勝大】

▽ヤクルト高津監督(奥川の投球に)「素晴らしかった。文句つけるところはない。投球の感覚と考える力はなかなか教えてもできることではない。それを身につけて成長しているのは、良く感じます」