西武栗山巧外野手(31)が男気(おとこぎ)の逆転決勝弾を放った。4回2死三塁から、7月4日ロッテ戦以来の8号2ランを右中間席へ運んだ。お立ち台では「(三塁打の)森が20歳らしからぬ快走を見せていたから、かえさないとと思った」と兄貴肌を見せ「今日は特打で阿部コーチのスローボールを、昨日は宮地コーチのスライダーを打ち、効果が出た」と周囲への感謝も忘れない。「男気」の代名詞は広島黒田だが、西武主将のダンディズムに潜入する。

<1>ファンに寄り添う 甲州街道を愛車で走っている時に少年が目に留まった。「いつも西武の帽子をかぶっている子や」。車を止めてサインボールをプレゼントし、さっそうと走り去った。

<2>大人の味を贈る 8日に20歳の誕生日を迎えた森にブラックの缶コーヒーをプレゼント。「20歳になったら大人の味を覚えろよ」と粋な言葉も添えた。

<3>息抜きも男らしさ全開 遠征先では食事の後は「じゃあ毛穴を締めに行きますか?」。愛用のサウナへ向かう。500ミリリットルのペットボトルの水を片手にサウナと水風呂を繰り返し、戦いの疲れを癒やす。

男は結果で示さなければならない。16日のソフトバンク戦で故障、病気以外で6年ぶりに欠場した。17日のオフは返上し、バットを振り込んだ。「すぐにチャンスをもらえた。もっときつい(立場の)選手もいる。でも試合に出たいと思った。もう1回やり直す。今からでも遅くない。自分の気持ちを新しくスタートさせる」。男・栗山が獅子をAクラス圏内に再浮上させる。【広重竜太郎】