日本ハムは8日、3位楽天に0-8と大敗。今季10度目の完封負けで、勝てば自力V復活のチャンスを逃した。エース上沢直之投手(27)が序盤に3点を失う苦しい展開。打線は入団以来、苦手にしている楽天の2年目右腕、滝中瞭太投手(26)を捉えきれず、5回無死一、二塁の好機も生かせなかった。攻守の歯車がかみ合いつつあっただけに、浮上へ足踏みの1敗となった。

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負けを悟ったのだろう。7回の攻撃を終えると、札幌ドームに集まった日本ハムファンが、続々と帰りの途につき始めた。この日は、上限いっぱいのチケットが完売となり、4992人が観戦に訪れていた。8回の守備が始まるころ、球場に残っているファンは、まばらに。寂しい光景が、日本ハムを取り巻く現状を表していた。

苦手にしている楽天の先発、滝中の前に、6回まで2安打無得点。緩急自在の投球に「狙いを絞れなかったというよりも、捉えきれなかった」(小笠原ヘッド兼打撃コーチ)と凡打を重ねた。滝中が入団以来、今回が3度目の対戦で、対戦防御率0・48と、全く攻略できずにいる。その中で、悔やまれたのは5回無死一、二塁の場面だ。R・ロドリゲスが、初球、セーフティーバントを試みたが、打ち上げて失敗。そもそも、セーフティーバントをする必要がない場面でもあった。栗山監督は「1発仕掛けてみたらという話しはしたけど。ちょっと意図が伝わっていなかった」と、意思疎通が中途半端だったことを反省した。

終わってみれば、今季10度目の完封負けで、5月11日オリックス戦(札幌ドーム)以来となる8点差負け。小笠原ヘッド兼打撃コーチは「その場での最善と思ってベンチは(サインを)出しているので(失敗は)仕方がない」と振り返りつつも「今日だけに限らず、試合には流れがある。そういうところでしぼんでしまうと、流れというものもなくなって来る」と、ミスを残念がった。

待望の上昇気流に、いまだ乗れずにいる。【中島宙恵】