実は…2日あるんです。楽天石井一久GM兼監督が9日、48歳の誕生日を迎え、日本ハム21回戦(札幌ドーム)を快勝した。

島内の先制打で主導権を握り、岡島の1発などで加点。先発則本昂の3年ぶり完封勝利で文句なしに締めた。試合前にはチーム、報道陣から似顔絵入りケーキなどで祝われ、最高の形で飾った。10日からは敵地千葉で2ゲーム差の首位ロッテとの首位攻防3連戦。まさかのカミングアウト? で、選手へ3連勝をおねだりした。

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試合後、石井GM兼監督が驚きのひと言を放った。

「内緒にしていましたけど…明日も誕生日なので、頑張っていただければいいかなと思います。明日も誕生日なのでお願いしたいです」。

2021年9月9日。48歳の誕生日は口もなめらかになるほど、思い出に残る1日だった。

練習前、球場の食堂に呼ばれて入ると、村林、津留崎の音頭で選手、コーチ、スタッフからバースデーソングが贈られた。似顔絵入りの特大ケーキに、花束、ブランド物のリュックサックに入手困難なスニーカーもプレゼントされた。直後には報道陣からも似顔絵入りケーキに、好物の世界各地の塩セットを贈られた。

「あんな大勢にお祝いされたことないのですごくありがたいです。いい笑顔でシーズンを終えることが僕の一番の願い。こういう時期に緊張感のあった戦いをさせてくれていることはみんなのおかげなので、感謝をしながらみんなをサポートしていけたらと思います」。

試合に入っても、祝福の嵐は終わらない。2回に島内が先制の2点打。「監督の誕生日なので、勝ちたかった。いつも、とんでもない調子でも使ってくださるのでありがたいです」。6回には岡島が自己最多の8号ソロで貴重な追加点。「一番は勝ったこと。これからも勝てるように頑張ります」。最後は先発則本昂が120球の熱投で、3年ぶりの完封勝利。「最後まで投げてウイニングボールをプレゼントしたいなと思っていたので、できて良かったです」。指揮官は右腕から記念球を受け取り、左手でがっちりと握りしめた。 首位ロッテとは残り35試合で2ゲーム差。ぴりぴりとした緊張感が、節目の日にいっそうの心地よさをもたらしてくれる。「本当にいい展開で野球をしてくれて、本当に野球人生の中でも最高の誕生日だったと思います」。こんな日がずっと続けば…。千葉で白星をつかみ、夢を夢で終わらせない。【桑原幹久】