来年のドラフト候補、日体大の二刀流、矢沢宏太投手(3年=藤嶺藤沢)が開幕戦で自己最速150キロをマークし、11奪三振で完封勝ちを挙げた。「春に課題だった直球のスピードや質に取り組んできて、いいところが試合で出せてよかった」と話した。

日体大はDH制を解除し、矢沢はエンゼルス大谷翔平投手(27)をほうふつとさせる「4番・投手」でスタメン。

投手としては、初回に自己最速を1キロ更新する150キロをマーク。「1年の秋に149キロを出して、そこから時間がかかったけど、直球がよくなるための時間だったと思う」と喜んだ。

4回と9回に1安打を許しただけで、11奪三振。数字は意識しておらず、試合後に「本当ですか!? 気付いてなかったです」と笑った。古城隆利監督は「スライダーのキレがよかった。中盤からよくなっていった」と評価した。

打撃では、5回に内野安打を放った。矢沢は「1安打だけでしたが、アウトの内容はよかった」と納得の表情だった。

東京五輪の期間中は、ボランティアで侍ジャパンの練習をサポート。ソフトバンク柳田やヤクルト村上のフリー打撃を間近で観察し「今までは大学だけ見ていたけど、プロで戦う高いレベルを見て、満足してはいけないと思った。自分を見つめ直す機会になった」と刺激を受けた。

12日に予定されている2戦目でも、指名打者ではなく外野の守備につく見込み。秋季リーグからは連戦でもフル稼働する。「春よりも、成長した姿を見せたいです」と意気込んでいた。