“ハマの呪縛”を「4番の100打点目」で振りほどいた。巨人は9回に2点差を追いつき、なお1死満塁で岡本和真内野手(25)が左犠飛を放ってサヨナラ勝ち。劇的勝利でDeNA戦の連敗を6で止めた。岡本和は8回に37号ソロを放つなど2安打2打点で、18年の自己最多に並ぶ100打点目をマーク。巨人では10年ラミレス、日本人では02年松井秀喜以来の1シーズンでの「4番100打点」に到達した。

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ナインにもみくちゃにされながら歓喜のスプラッシュを体いっぱいに浴びた。岡本和が両リーグ最速の100打点目で劇的サヨナラ勝利をもたらした。同点の9回1死満塁、内角低めの153キロ直球に詰まりながらも、振り切った。やや浅めの左犠飛で、三塁走者の八百板がヘッドスライディングで本塁生還。「僕だったら走ってないなと。(八百板)卓丸が走ってくれたので、感謝の気持ちでいっぱいです」とお立ち台でびしょぬれになりながら、同学年の好走塁に感謝した。

「不動の4番岡本和真」にとって打点とは-。「打点は勝ちにつながってくるところ。それが僕の仕事なので」。チームメートが1人1人、4番を信じてチャンスを作ってくれる。期待と責任を一身に背負いながら、勝敗を左右する重要な役割を遂行してきた。球団の4番での100打点は10年ラミレス以来。日本人選手では02年松井以来とレジェンドに肩を並べたが、「みなさんがチャンスで回してくれたり、塁に出てくれたからこそ」と感謝を忘れなかった。

早出の特打が実った。直近3試合は無安打。「あまり(状態が)良くないというのもあった。大事な試合になって来るので、ズルズル行くのはいけない」と、石井野手総合コーチの指導の下、スイング軌道を修正した。2点を追う8回には37号ソロを放つも表情を変えず、定番の「わっしょいポーズ」も封印。反撃ムードを醸し出した。

チームの勝利を最優先に考え、たどり着いた100打点。自身2度目のサヨナラ打で、優勝争いにどっしり踏みとどまった。「今日の試合が良い方向につながってくれると良い」。期待を背負った4番のバットが、大きな歓喜へとつなげる1点を積み重ねる。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(サヨナラ打の岡本和について)「ノースリーというカウントになったんですけど、迷わず『打て』という中で打ちにいき、そしてワンスリーでも打ちにいき、そこがやっぱり彼の最後の外野フライ、サヨナラ打という形になったと思いますね」