阪神俊介外野手(34)が16日午前、西宮市内で会見を開き、今季限りでの引退を表明した。

「ここ1、2年考えることも増えた。最近になって(引退の)時期なのかなと思った。ここ2年肩の調子が悪くて、守備もろくにつけず、守備を抜かしてしまうと“野球”でない」

野球に正面から当たってきたからこその引退理由を明かした。「広陵高校、近畿大学からタイガースに入って、12年間あっという間でした。自分なりに精いっぱいやってきたので悔いはないです」。目を潤ませながら自身の野球人生を振り返った。

「ファンの声援がなければ12年間やれなかった。ファンの皆様本当にありがとうございました」

声を詰まらせながら、感謝の思いを振り絞った。

19、20年と1軍出場は10試合未満に終わり、主に2軍で汗を流してきた。今季1軍出場はなく、会見を開いた時点で2軍戦28試合出場にとどまっていた。阪神一筋12年のベテランが大きな決断を下した。

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◆俊介(本名・藤川俊介=ふじかわ・しゅんすけ)1987年(昭62)8月17日、福岡県生まれ。広陵1年夏、2年春に甲子園出場。近大では1年からレギュラーで5度のベストナイン、3年春にはMVPを受賞。09年ドラフト5位で阪神入団。チームに同姓の藤川球児がいたこともあり、11年に登録名を「俊介」に変更。今季1軍出場はなく、通算849試合出場、310安打、打率2割4分9厘、9本塁打、86打点、28盗塁。178センチ、77キロ。右投げ右打ち。