<阪神1-0中日>◇18日◇甲子園

阪神先発高橋遥人投手(25)が中日打線から10三振を奪い、7回2安打無失点の快投で今季初勝利を挙げた。

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普段はおっとりしている高橋も、マウンドでは向上心のかたまりだ。無失点に抑えた試合で周囲が沸いても、本人だけ納得がいかない時も多々ある。直球10球のうち3球がシュートしただけでも許せない。今春のキャンプでもそんな完璧主義で、直球の質に納得できず模索を続けていた。

自他ともに認めるマイナス思考だが、今年はキャンプで途中離脱した後も、シーズン途中の復帰に向けて、すでにしっかり前を向いていたという。ベースには1年目の経験があると、一昨年まで在籍した元阪神トレーナーの手嶋秀和氏(39)は話す。18年4月に鮮烈なデビュー戦白星を挙げながら、6月中旬に左肩のコンディション不良で離脱。「次は何やればいいですか?」。リハビリに受け身だった高橋。「自分がどうしたいか、がないと良くならない」と、トレーナーはあえてメニューをすべて与えずに、自ら考えさせたことがあった。もともと練習に真面目に取り組む性格。自分のために考えて動き、シーズンの大事な時期に復帰にこぎつけた。【阪神担当=磯綾乃】