土壇場9回に一塁ベースを踏んだかどうかの異例のリクエストが行われた。

ロッテが2点を勝ち越した直後の9回、クローザーの益田直也が登板。

逃げ切ればマジック18が点灯したが、2死一、三塁からT-岡田の15号3ランでオリックスが逆転。ここでロッテ側が一塁ベースを踏んでないとアピール。いったんはセーフの判定が出たが、井口監督がリクエストを行った。

ベース踏み忘れとなればゲームセットだったが、リプレー検証の結果、本塁打が認められた。

井口監督は試合後「まあ僕らもベンチから見てて(T-岡田が一塁を)踏んでないように見えたんで、はい」と話した。

▽オリックス中嶋監督(9回のリクエストに)「そもそも、時間をあんなにかけてリクエストをしていいものか、というのもある。受けた方も受けた方だし…」

◆ベース空過メモ 本塁打を打ってベースを空過した場合、守備側がアピールすればアウトとなる。本塁を踏まなかった場合は三塁打、三塁を踏まなかった場合は二塁打になり、一塁を踏まなかった場合は凡打になる。58年9月19日長嶋(巨人)は本塁打を打ったが、一塁を踏み忘れ、審判から渡ったボールが投手から一塁へ転送されて結果は「投ゴロ」に。ボールデッドとなるため、今回はアピールが成功すれば3アウトで試合終了だった。

◆リクエスト制度 監督がリプレー検証を審判に要求できる制度で、18年から実施。1試合で2度要求でき、結果判定が覆れば権利は減らない。判定通りなら権利は1度ずつ減る。延長戦では新たに1度権利を行使できる。リクエストができないプレーは(1)投球判定(2)ハーフスイング(3)自打球(4)打撃妨害(5)走塁妨害(6)守備妨害(7)インフィールドフライ(8)審判員(塁審)より前方の打球(9)ボークの9種類で、審判員の判断に基づく判定は対象外となる。