<ロッテ3-4オリックス>◇30日◇ZOZOマリン

オリックスが首位ロッテ相手にミラクル3連勝でマジック点灯を阻止し、0ゲーム差に迫った。2点を追う9回2死一、三塁で、T-岡田外野手(33)が逆転15号3ランを放った。

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入団から16年の時を経ても、オリックスT-岡田が、主役を譲らない。

プロ201本目は劇的逆転3ラン。誰もが見とれる弧を描いた。自身にとって、本塁打とは何か。「打った瞬間、やっぱり気持ちいい。一塁をまわっているときに、お客さんが盛り上がっているとうれしい。試合が終わって勝ちにつながっていると、もっとうれしい。そこがホームランの面白いところ」。放物線が一体感を生む。この日の起死回生弾は、ファン、そしてナインの1つにした。

「8月14日かな?」。記念のプロ1号は、高卒プロ4年目の09年8月14日、ソフトバンク戦(スカイマーク)の5回にジャマーノから放った3ランだった。記念球は、実家に大事に置いている。「プロ1年目、最初のキャンプで何日間か過ごしたときに『正直、やっていけるかわからない』と思った」。喜びと安堵(あんど)が混じった1号から数字を積み上げ、10年には本塁打王も獲得した。心技体が充実したプロ16年目。頼もしいベテランが、悲願へ力強くバットを振る。【オリックス担当=真柴健】