あぁ3年連続のV逸…。広島が首位ヤクルトに同一カード3連敗を喫して、21年の優勝の可能性がなくなった。今季も課題だった中継ぎ陣が打たれ、得点力不足の打線もヤクルトを上回る安打を放ちながら、1得点。敵地でDeNAと阪神に6連勝後、地元で3連敗と流れに乗れない。3年連続Bクラス目前の広島が、首位ヤクルトとの差を見せつけられる結果となった。

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力の差をまざまざと痛感させられるV逸決定試合になった。先発森下の粘投で接戦に持ち込んだが中継ぎ勝負で踏ん張れず、終盤の失点が試合を決めた。鈴木誠を欠く打線は、ヤクルトを上回る11安打を放ちながら、わずか1得点止まり。首位ヤクルトに今季本拠地で1勝9敗1分けとなり、3年連続V逸が決まった。

佐々岡監督 これだけ負ければ、当然と受け止めながら。とにかく最後まで、もう1度、集中力を持ってやらないといけないなと思います。いろんなミスを起こしても、反省しながらも、1戦1戦。1つでも上、1つでも借金を減らすということを変わらずやっていきます。

就任から2年続けて頂点に立てなかった指揮官は、唇をかんだ。思い描いたチームづくりは、思うように進んでいない。

1日に続き、この日もまた8回に決勝点を許した。同点で迎えたマウンドには、シーズン終盤に勝ちパターンを任せた島内を投入した。だが、先頭山田にボールが先行して歩かせると、続く村上にもカウントを悪くした4球目は右前打となった。1死後、右打者が続く打順で左腕森浦にスイッチするも、2死二、三塁からサンタナにわずかに浮いたチェンジアップを中堅前に落とされ、2点の勝ち越しを許した。

絶対的守護神の栗林の存在がありながら、今季も勝ちパターンが固まっていない。開幕から固定せずに調子や状態を見ながらの起用が続くが、奏功しているとは言えない。今季の8回の失点はイニング別最多となる94失点。好救援の2番手今野が7勝目を手にした首位ヤクルトとは、対照的なシーンになった。指揮官は「いいときはいいが、それが長続きしない。求めているのはそこ」と奮起を促す。ただ、選手の能力を見極め、適材適所に起用するのは首脳陣の役割でもある。

3連覇後、3年連続でセ界の頂点は夢に終わり、CS進出も厳しい状況にある。現状と向き合いながら、現有戦力を最大限に生かすチームづくりが求められる。選手だけでなく、首脳陣、チーム全体がひとつとなって、はい上がっていくしかない。【前原淳】

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