首位ヤクルトのエース小川泰弘投手(31)が、今季初となる中5日の先発で、6回を6安打2失点に抑えて9勝目を挙げた。本拠神宮に巨人、阪神を迎える大事な6連戦の初戦で「攻めの投球」を貫き、無四球の力投。2015年以来の優勝を目指すチームを勢いづけた。

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「攻め」「攻め」「攻め」-。緊急事態宣言明け初の本拠地。1万2536人が詰めかけた神宮のお立ち台に上がったエースが「攻め」を3度、繰り返した。「大事な試合だったので受けることなく、先に『攻め』ていくことを意識して投げた結果が良かった」。ペナントを占う6連戦の先陣。「何とか良い流れをつくりたいと思っていたし、失うものは何も無いと思って。とにかく『攻め』ていくことを思って投げました」。前回登板の9月29日DeNA戦は3回8安打6失点と打ち込まれており「前回ちょっと受けてしまったので。その反省を生かして、どんどん『攻め』るという気持ちで投げられたと思う」と納得の表情を見せた。

1点リードの4回2死二塁では、4番岡本和に対し、外角低めの変化球で空振り三振に仕留めてピンチを脱した。巨人打線を相手に6回を無四球。持ち前の丁寧な投球に加え、逃げない気持ちでゲームを作った。

前回優勝は3年目の25歳で、11勝を挙げて優勝に貢献した。当時と現在を比較して「同じようにチームの雰囲気はとてもいい。(前年)最下位からというのも同じですし」と振り返る。「挑戦するって気持ちが、今までいい方向に行ってると思うので。これからも受けずに、どんどん攻めていければ」。7月にコロナウイルス感染による離脱もありながら、ここまで9勝をマークする右腕。前回優勝時とは立場も変わった今季も攻めの投球を貫き、チームの勝利に貢献していく決意だ。【鈴木正章】