地元で決めた!! 広島栗林良吏投手(25)が、中日25回戦(バンテリンドーム)で節目の30セーブを達成した。

新人では史上3人目の快挙。13試合連続セーブも記録し、91年大野がマークした球団記録の「14」に王手をかけた。チームは2連勝で9月9日以来の4位に浮上。愛知で生まれ育った右腕が、故郷で節目を飾った。

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黄金ルーキー栗林が、地元愛知でまた1つ新たな勲章を手にした。3点リードの9回に登板。先頭の石垣を左飛、桂を内角高め150キロで空振り三振に仕留め、最後は代打A・マルティネスを直球で左飛に。注文通りの3者凡退に片付け、史上3人目となる新人30セーブを達成した。

「うれしいが一番です。家族も応援に来てくれていたし、身近な方がたくさんいる中で達成できて、勝ったのが良かったです」

開幕から新人離れした投球を続けてきた。3月27日の中日戦で、プロ初登板初セーブを記録。デビューから22試合連続無失点の2リーグ制後の新記録を樹立し、永川1軍投手コーチが18年間保持してきた球団新人最多25セーブを塗り替えた。この日で連続試合セーブ記録も「13」に更新。91年大野が記録した球団記録「14」まで、あと1つに迫った。

愛知で生まれ、幼少期から社会人まで愛知で24年間を過ごした。カープに入団するまでは生粋の中日ファンだった。「軸足の右足に全部体重を乗せたい」と、セットポジションから左足を上げ、間を挟んでから投球モーションに入るという名城大時代から続ける現在のフォームは、中日レジェンドの吉見、山井のフォームを見よう見まねで取り入れたのが原点だ。「吉見さんは足でリズムを取りながら投げていた。そこも参考にしてました」。プロとして成長した姿を、地元で存分にみせつけた。

DeNA牧、ヤクルト奥川、阪神佐藤輝、中野、伊藤将らとの熾烈(しれつ)な新人王争いの中で、インパクトを与える数字を残した。「新人王は自分の力じゃ手に入れられないので。あまり意識せずにこれからもやっていけたら」。セーブ機会では失敗ゼロ。「失敗しないことが仕事」。鉄壁を誇る守護神が、故郷に錦を飾った。【古財稜明】

▽広島佐々岡監督(栗林について)「守護神としてよく投げてくれて、チームに貢献してくれている」

▽広島玉村(8回途中2失点で、3カ月ぶりの勝ち星となる3勝目)「ずっと勝ててなかったので、勝ててほっとしてます」

▼ルーキーの広島栗林良吏投手が30セーブ目。新人の30セーブ以上は、90年与田(中日)31セーブ、15年山崎康(DeNA)37セーブに次いで3人目。

また、7月14日中日戦からは13試合連続セーブとなり、91年大野がマークした14試合の球団記録にあと1に迫った。