ファーム日本一をかけたマウンドは、ドラフト5位ルーキー村上頌樹投手(23)に託された。「チームが勝てるように導くのが先発だと思うので、それを目指してやっていきたいと思います」。この日宮崎入りした右腕が力強く必勝を誓った。

ウエスタン・リーグでは最優秀防御率(2・23)、最多勝(10勝)、勝率1位(9割9厘)の「投手3冠」に輝き、リーグ制覇に大貢献。対戦するイースタン王者のロッテはリーグ優勝を決めた試合に19-0で大勝するなど強力打線だ。「ボールの強さを求めてこの1週間はやってきました。変化球のコントロールも調整してきました」。3年ぶりの日本一へ準備OKだ。

村上は頂上の景色の良さを知っている。16年センバツで智弁学園のエースとして、優勝へ導いた。「野球をやっている以上はそういう(優勝がかかる)場面で投げたいというのはあります。緊張すると思うので、その緊張をいい方向に向けて」。大舞台の攻略法を知る右腕が、勇気を届ける投球でチームを引っ張る。

平田2軍監督も「本音から言うと最後の公式戦を、やはり勝って終わりたいよ」と必勝采配を宣言。1軍はこの日自力V消滅の苦境に立たされた。エールを送るべく、一足先に日本一をつかみにいく。【前山慎治】