今春のセンバツ4強右腕の中京大中京・畔柳享丞投手(くろやなぎ・きょうすけ、3年)は日本ハムから5位指名を受けた。第一声は「正直指名漏れも覚悟しました。仲間のみんなが『絶対大丈夫』と背中を押してくれました」。全体59人目の指名に安堵(あんど)の表情だった。

「ベース盤の上で伸びる直球が武器。直球のキレで勝負したい。藤川球児さんのような分かっていても打たれない直球を投げたい。日本ハムでは伊藤大海投手のような日本を代表する投手になりたい」と、理想とする投手像ははっきりしている。だから見える課題も明確だ。「投球に力みが出て安定しないところがある。それがこの順位(5位)になった理由だと思う」。弱点を克服し追いつきたい背中がある。

中京大中京の1学年先輩で20年ドラフト1位で中日に入団した高橋宏斗投手(19)だ。「宏斗さんをずっと目標としてきましたし、やっと同じ舞台に立てるのは素直にうれしいです。いつか宏斗さんを追い越したい」。憧れだった先輩は来春からはライバルの1人に変わる。

今ドラフトは3人の高卒右腕が1位で指名された。「自分は下位指名の方が燃えるタイプです。いつか戦いたい」。5位指名からの逆襲へ、畔柳が北の大地で腕を振る。【前山慎治】