国学院大は「プロ指名コンビ」が躍動し、5勝2敗として首位を守り、連覇へ前進した。

初回、西武育成4位指名の2番川村啓真外野手(4年=日本文理)が一死から右越え二塁打で出塁すると、三振をはさみ、打席にはオリックス3位指名の4番福永奨捕手(4年=横浜)。亜大の先発、阪神5位指名の岡留英貴投手(4年=沖縄尚学)のスライダーをバットの先っぽで捉えて右前へ運び、先制点を奪った。2回には、2死一、二塁から吉川育真内野手(2年=岡山理大付)の右中間を破る適時二塁打で2点を挙げ、岡留を2回途中で引きずり降ろした。福永は「ラッキーなヒットでした。どんな形でもヒットはヒット。先制点を取れてよかったです」と笑顔を見せた。

主将の一打が勝利を呼び込んだ。鳥山泰孝監督(46)は「(福永の)ヒットで、チーム全体がリラックスして乗れた。こういう試合は運、流れが大事。福永がいい流れをもってきてくれたと思います」と値千金の一打をたたえた。

福永は大先輩・西武松坂の引退試合に刺激を受けた。「同じ舞台でプレーをしたかった。対戦してみたかったです」。偉大な先輩の引退試合をテレビで見て「松坂さんの節目の年に指名していただいた。自分が横浜高校の伝統を引き継ぐ」と気持ちを新たにした。プロ野球界で、子どもたちに夢を与えられるような存在になること。それこそが、横浜高校OBとしての務め。福永は、将来の目標を見い出し、大学ラストシーズンも優勝で終える覚悟を決めた。

チームは5勝2敗で首位に立つ。福永は「春に続き秋も優勝したい。でも、焦らずにやることをやる。いつも通りやっていきたい」と、冷静に前を向いた。