ミスターに野球界初の新たな勲章が贈られた。今年の文化勲章が26日に発表され、スポーツ振興で巨人長嶋茂雄終身名誉監督(85)ら9人が選ばれた。

スポーツ界からの選出は水泳の故古橋広之進さんに続いて2人目。巨人時代は戦後の高度成長期の国民的スーパースターとして活躍し、引退後は巨人や日本代表で監督を務め、今夏の東京五輪では開会式に王貞治氏、松井秀喜氏とともに聖火ランナーとして参加。野球界だけでなくスポーツ界の発展に、まだまだ情熱を注いでいく決意を示した。

◆長嶋茂雄(ながしま・しげお)1936年(昭11)2月20日、千葉県印旛郡臼井町(現佐倉市)生まれ。佐倉一高(現佐倉高)から立大に進学。杉浦、本屋敷らと黄金時代を築き、首位打者2度。当時の東京6大学新記録となる通算8本塁打を放った。巨人入団1年目の58年に打率3割5厘、29本塁打、92打点で本塁打王、打点王に輝き新人王に。59年6月25日の天覧試合(対阪神)では同点本塁打とサヨナラ本塁打。王貞治との「ON砲」で65~73年の巨人V9を支えた。74年に現役引退するまでMVP5度、首位打者6度、本塁打王2度、打点王5度を獲得し、「ミスター・ジャイアンツ」として球界最大のスーパースターとなった。巨人監督に就任した75年は球団初の最下位。監督は75~80年、93~01年の計15年務め、リーグ優勝5度(76、77、94、96、00年)、日本一2度(94、00年)。アテネ五輪日本代表監督として03年のアジア予選は3戦全勝で五輪出場を決めたが、04年の本戦では病気のため指揮を執ることができなかった。88年野球殿堂入り。13年に松井秀喜氏とともに国民栄誉賞を受賞した。