広島は15日、佐々岡体制3年目となる来季のコーチングスタッフを発表した。東出輝裕コーチ(41)が2軍打撃コーチから1軍野手総合コーチに昇格。三塁ベースコーチを務める河田雄祐ヘッドコーチ(53)に代わり、攻撃時に佐々岡真司監督(54)をサポートする。1軍投手コーチには、今季まで阪神2軍育成コーチを務めたOBの高橋建氏(52)が12年ぶりに復帰。新首脳陣でV奪回を期す。

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3連覇の際に打撃コーチを務めた東出コーチが、新参謀として1軍に復帰する。緒方監督時代の4年間は強力打線形成に力を注ぎ、佐々岡体制となった20年からの2年間は小園や林ら若手育成に尽力。3年ぶりに育成の舞台から、勝負の舞台に復帰する。三塁コーチを務める河田ヘッドに代わり、攻撃の新たな頭脳としてV奪回に力を尽くす。

「1人で決めるのではなく、みんなでその都度話し合って、準備して、いろいろ想定して、後手後手にならないようにしたい」

野手総合コーチに立場を変える。19年まで緒方前監督や石井元打撃コーチ(来季からDeNA打撃コーチ)の下で、経験を積んだ。現役時代はベストナインを2度受賞した二塁だけでなく、三塁や一塁、外野でもプレーした。鈴木球団本部長は「打撃も守備、走塁、作戦も含めてやってほしい。総合的に何でもできる」と信頼を寄せる。

チームは低迷しているが、“新参謀”は若手の成長に手応えを感じている。秋季練習では、さらなる底上げを掲げる。「今年1軍だった選手と、そうじゃなかった選手との競争がどれだけ増えるようになるか」。16年の優勝も、前年秋の若手の底上げがチーム力アップにつながった。

戦術は指揮官だけでなく、ヘッドコーチや担当コーチ、そしてスコアラーらの意見にも耳を傾ける。「試合によってプランがある。スコアラーも当然、必要な戦力。打撃コーチのときはスタメンを決めるときに、迷っている打順やポジションがあれば、スコアラーが推してくれることもあった」。データや選手個々の状態を見極めながら、一丸となって勝利のために最善の策を講じていく。

機動力に磨きをかけるため、走塁指導にたけた河田ヘッドコーチが外野守備走塁コーチを兼任する。投手力底上げを期し、阪神2軍で若手育成に尽力したOBの高橋氏が1軍投手コーチで復帰する。内野守備走塁コーチには、今季途中からロッテでプレーした小窪氏が入閣。広島野球を熟知する生え抜きを中心に、他球団も知るコーチ陣が加わり、佐々岡カープが勝負のシーズンに臨む。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(東出野手総合コーチに)「いろんな野球(の考え方)を持っていると思う。攻撃のときは河田ヘッドが三塁コーチに立つ。朝山(打撃コーチ)といろんな話、作戦をやってくれると思う」

▽広島河田ヘッドコーチ(東出野手総合コーチに)「毎日試合が始まる前にいろいろ相談していくような形になるだろう。それは今までと変わらず、相手を攻略するためにも、何かをやっていかないといけない」

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