今度こそMVP男になる! ヤクルト塩見泰隆外野手(28)が、20日開幕の日本シリーズへ向けて意気込んだ。

CSファイナルステージでは、10打数4安打4打点と勝負強さを発揮。第1戦は三塁走者の際、遊飛で“タッチアップ”に成功するなど、攻撃でチームを支えた。MVPで自らが呼ばれるのを待ちわびたが、奥川が選出。発表の瞬間は、吉本新喜劇のように崩れ落ちた。「自分のプレーを精いっぱいして、取れたらいいなくらいのイメージでいる」と日本シリーズMVP獲得をもくろんだ。

課題も最終決戦では吉兆データになる。今季偶数月は打率2割1分2厘に対し、奇数月は3割6分4厘。「直していきたい」と、普段は1カ月単位で調子の波が激しいことを改善点に挙げているが、11月は打てる時期でもある。波が上がってきているかという問いに「そうですね。一応データ的には」と自嘲気味に笑った。

1番打者として、チームを勢いづけることが求められる。“好調月間”のジンクスに加え、持ち前の積極性で、流れを一気に呼び込む。狙い球であれば初球からスイングし、次の塁も狙えるのであれば、走る。「自分の仕事を全うしようという気持ちしかない。よりいつも以上に仕掛けていきたい」と前を向いた。自分の役割を果たしていけば、自然とチームの日本一につながっていく。念願の表彰も勝ち取り、最高の結果で1年を締めくくる。【湯本勝大】