広島大瀬良大地投手(30)が18日、今季取得したFA権を行使せず残留することを発表した。

3年の複数年契約で総額8億円程度とみられる。

長期契約を提示した球団の誠意に加え、強いカープ愛が早期決断につながった。13年ドラフトで3球団競合の末、田村担当スカウトが交渉権を引き当て、入団した。「そこからたくさんのご縁に恵まれて、今までやってこられた。そういうご縁に背を向けることはできないかなと」。入団から8年、負傷するたびにチームメートから励まされ、勝つ喜びも共有してきた。広島で投手としても、人としても成長してきた。

入団時は前田健太(ツインズ)からプロの技術を学び、15年に復帰した黒田博樹氏にはエースとしての立ち居振る舞い、戦う姿勢を学んだ。「カープで学んだことはカープでつないでいくという思いが強かった。見てきた背中は大きくて、遠いところにはあるんですけど、考え方とかはたくさん学んできた」。先輩たちよりも、失敗やケガの数は多いかもしれない。だからこそ、伝えられるものもある。今度は自分が「新しい強いカープを作っていければ」と先頭を走っていく覚悟だ。

大瀬良とともに今季FA権を取得した九里亜蓮投手(30)も、19日に球団と最終交渉を行うとみられる。【前原淳】

▽広島鈴木球団本部長 投手陣の中心の1人でもあるし、主将でもある。人間性も問題ない。チームをまとめてもらいたい。ずっと14番を背負って、40歳ぐらいまでやってくれたらという話をした。

▽広島佐々岡監督(15日に食事の席で慰留した大瀬良の残留に)「こんなにうれしいことはない。エースとして、主将として、投手のまとめ役でもある」