大好きな豚汁の恩を返す。巨人ドラフト4位の東海大相模・石田(いした)隼都投手(18)が18日、横浜市内のホテルで仮契約した。

契約金4000万円、年俸600万円。名門のエース左腕は地元・栃木に帰省する度に楽しみがある。祖母文子さん(72)特製の豚汁だ。「最近帰った時もおばあちゃんに作ってもらった。すごくうまくて、毎回頼んでます」と、元気の源になっている。

今春のセンバツではエースとしてチームを優勝に導いた。球団では王貞治以来となる甲子園優勝左腕。思い描く理想のビジョンは「1軍で勝ち続けられる投手になりたい。調子が悪くても良くても、負けない投手が一番すごい投手なのかなと思います」。本職の投球でもおふくろの味ならぬ、祖母の味のような安定感を目指す。

水野雄仁スカウト部長(56)からも、石田にとって大先輩にあたるエースになぞらえて評価された。「菅野投手の相模のときも見ていましたけど、線が細かった。石田君の方が現段階では体的には勝っていると思う。菅野投手が東海大で成長したのを、ジャイアンツで成長してもらいたい」と“熟成”を期待された。

プロの世界での活躍を見据え、仕込みには余念がない。「真っすぐや変化球のキレはまだまだ」と自己分析し、「1軍で勝ち続けられる投手になりたい。(祖父母へ)早く恩返しがしたい」と誓った。感謝の気持ちは結果で示す。【小早川宗一郎】(金額は推定)