楽天早川隆久投手(23)が「10勝への進化論」を語った。21日、仙台市内の球団事務所で契約更改に臨み、2000万円増の年俸3600万円でサイン。ドラフトで4球団から1位指名を受けてのルーキーイヤーは9勝7敗、防御率3・86。即戦力として力を示したが、「2ケタ」の壁を越えられなかった。2年目の進化を遂げるべく、理想の投球を追い込めていく。

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10勝か、9勝か。2桁に届くかは、先発投手の評価を決める1つの指標になる。早川は9月22日に9勝目を挙げて以降、4度先発マウンドに立ったが、白星には届かなかった。「0か100だと、0に近いのかなと思う」と悔しさをにじませた。ただ、球団からは想像以上の増額をもらい「見合ったような活躍をしていけたら」と来季への決意は強まった。もう1段上のステージに上がるために、磨くべき方向性を明かした。

(1)心持ち 「15勝、12勝を目指し、10勝を通過点」。今季は2ケタ勝利への意識が強かったが、それは9勝目以降、自らに「プレッシャー」を与える要素に変わった。足踏みの一因にもなった。目標を高く持ち「10勝を通過点として、2桁勝利を目指していければ」と心の壁を取り払う。

(2)決め球 「三振を奪いたいところで奪える変化球」。有利なカウントを作っても「追い込んだ後に一発で決められない」と課題を感じた。打者に粘られ、苦しい投球を強いられた。チェンジアップ、カットボールなどを操るが「石井監督のようなスライダー」を一例に挙げ「そういう印象付けられるようなボールを投げていければ、違う変化球、真っすぐも生きていく」と話した。

(3)球数減 「5回、6回につかまった」のも反省材料。「球数を減らす」意識も高めていく。決め球が磨かれれば、必然的に球数も抑えられる。より長いイニングを投げ、勝ち投手の権利を得るチャンスが増える投球の術を磨いていく。

シーズン後半は相手から分析されたことで苦しんだ面もあった。ただ、2年目のジンクスにぶち当たるわけにはいかない。己と向き合い、1年目の経験を糧とし、2年目の進化を遂げる。【上田悠太】

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