20年ぶりの日本一に王手をかけていたヤクルトが、接戦を落とした。同点の9回、守護神のスコット・マクガフ投手(32)が、オリックス・ジョーンズに決勝弾を浴びた。対戦成績は3勝2敗となった。高津臣吾監督は、この日が53歳の誕生日。特別な日に、宙に舞うことはできなかった。

序盤の主導権はヤクルト。2回無死一、三塁で、オスナの三塁併殺打の間に1点を先制。4回にいったんは追いつかれたが、その裏、村上宗隆内野手(21)が、左中間席へ今シリーズ2本目となる1発をたたき込んだ。「同点に追いつかれた直後だったので、チャンスメークしようという気持ちで打席に入りました。大振りせずコンパクトに打つことができました。すぐに流れを持ってこれたので良かったと思います」。右手の人さし指を立て、ガッツポーズをしながらダイヤモンドを回った。

再び同点とされ迎えた7回には、3番手の石山泰稚投手(33)が、1死二塁で太田に適時三塁打を浴び、続くモヤにも右前適時打で突き放された。8回には大西広樹投手(24)も失点したが、3点を追う8回、山田哲人内野手(29)が無死一、二塁で左翼席へ起死回生の同点3ラン。「3点差ありましたが、チーム誰1人あきらめず何とかしようという気持ちがありましたし、そのみんなの気持ちが後押ししてくれました」。打った瞬間にベンチから選手たちが飛び出し、山田はガッツポーズでダイヤモンドを一周。高津監督も両手を突き上げた。スタンドにはこの時点で、涙ぐむヤクルトファンの姿もあった。

村上、山田のアベックアーチで最後の最後まで粘ったが、白星には届かなかった。

第6戦は舞台をほっともっと神戸に移し、27日に行われる。

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