ソフトバンクがデニス・サファテ投手(40)の現役引退を11月30日、発表した。17年にNPBのシーズン最多となる54セーブを記録し、日本一に貢献。NPB通算234セーブを挙げ、鷹の絶対的守護神として活躍した。20年10月に股関節の手術を受けるなど故障に苦しみ、ここ3年は1軍登板なし。米国でリハビリに励んでいたが、夫人の妊娠を機に自らの野球人生にピリオドを打った。

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サファテが海の向こうで決断を下した。この日、自身のツイッターで「今日私は野球を引退することを発表しました」とつづった。その後、球団から正式に現役引退が発表された。

鷹の絶対的守護神もケガに勝てなかった。18年4月に右股関節を手術した。3年契約を結んだ19年から1軍登板なし。20年オフに再び人工股関節置換術を受け、米国で必死のリハビリを続けていた。「だんだん良くなる感じがあったため、マウンド復帰を目指して頑張ってみようかと思っていましたが、先日、妻が妊娠していることが判明しました。これまでのように復帰に向けてチャレンジすれば、彼女に負担がかかってしまう。私たちは話し合い、現役野球人生にピリオドを打つことを決めました」と決断の理由を明かした。

11年に広島へ入団し、西武を経て、14年にソフトバンクへ移籍した。17年には現在も日本記録の54セーブ。同年の日本シリーズ第6戦では、9回から3イニングを無失点に抑えて日本一へ導き、MVPにも選ばれた。アウトを重ねるたびにマウンドでほえる気迫は、記憶に新しい。同年は外国人選手では初となる「正力賞」も獲得した。

「これ以上ない最高のフロントオフィス、コーチ、選手たちがそろった最も素晴らしいチームでプレーする機会に恵まれました。14年から私にチャンスを与えてくれたホークスに感謝したいと思います」

NPB通算427試合、27勝20敗、48ホールド、234セーブ、生涯防御率1・57。ユニホームを脱いでも「King of Closer」の偉業が色あせることはない。【只松憲】

▼サファテの引退セレモニーについて、三笠取締役GMは「日本一に何度も貢献をしてくれた選手ですので、何かできる形でやれればと思っています」と話した。現在、米国在住。新型コロナウイルスの感染拡大の状況次第で、球団の功労者として送り出す考えを明かした。また、サファテは「ホークスがこの先も常勝チームであり続けるために何らかのお手伝いができれば」とサポートに意欲を見せた。同GMは「大変うれしい。何か考えたいと思ってますが、現状で決まっていることは特にありません」と話すにとどめた。