V奪還へ。FA権を行使せず残留を発表していた広島大瀬良大地投手(30)が14日、マツダスタジアムで契約交渉を行い、3000万増の1億8000万円プラス出来高の3年契約でサインした。総額は8億1000万円となる大型契約。選手会長として迎える来季、球団史上4人目となる4年連続開幕投手に加え、タイトル総取りを誓った(金額は推定)。

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新選手会長の所信表明だった。球団が提示した総額8億1000万円の大型契約に、大瀬良は責任感を強くした。今季はケガを乗り越え、2年ぶり5度目の2桁勝利をマーク。ただ、チームは3年連続Bクラスに終わった。選手会長として迎える来季、最大の目標はV奪還にある。

「よりいろんなものをこの背中で背負って、戦って行きたい。その中で優勝、日本一に向けて頑張っていきたいと思っている」。

後輩森下が名乗りを上げた開幕投手も譲るつもりはない。「やはり特別なマウンドだというのは毎年変わらず、思いを抱きながらマウンドに立ってきた。任せていただけるのであれば、もちろんチャレンジしたい。競争になると思うので、競争に勝っていく中で開幕のマウンドに立てるように頑張っていきたい」。4年連続開幕投手となれば、広島では長谷川氏、北別府氏、黒田氏以来4人目となる。球団史に名を残す、伝説のエースたちに並ぶ。

今年まで開幕戦に限れば3試合で2勝無敗、24回1/3 5失点(自責3)。防御率1・11と強さを証明している。「今回も譲らずに4回目、立ちたいなという思いはすごく強く持っています」。来年3月25日DeNA戦との開幕戦に向けて、すでに若手が悲鳴を上げるほどのランニングメニューを中心に自主トレを行っている。

エース、選手会長、そして開幕投手…。さらに個人タイトル獲得にも、意欲を示す。「やっぱりタイトルは取れたらいいなと思います。その分、チームにもいい影響があると思う。取れるタイトル、全部取れたら」。チームの先頭に立つ自分の活躍が、チームを優勝に近づけると信じている。投球だけでなく、背中でもメッセージを送ってきた大黒柱は来季、貪欲なまでに結果を求める。【前原淳】

▽広島鈴木球団本部長(大瀬良について)大変な会長としての仕事もあるし、チームの柱として、やってほしい。