中日石川昂弥内野手(20)が25日、12月中旬から愛知県内で行ってきた自主トレを打ち上げた。秋季キャンプから中村紀打撃コーチらから教えられたことを継続し、自主トレでは打撃練習と二塁の守備練習に打ち込んできた。来年春季キャンプで、第3クールから始まる紅白戦などの実戦にスタメンフル出場する目標を掲げた。

今年の打ち納めは屋外でのフリー打撃。石川昂は豪快な放物線を描き続けた。両翼100メートル、中堅126メートルと、バンテリンドームより広い東海市内にあるグラウンド。117スイング中、柵越えは20本。打球は、最も深い左中間フェンスを軽々と越えていった。

「悪い癖の体の開きがほとんどなく、きれいな打球が飛んでいた。自分の中でいい感覚だった」

秋季キャンプの成果を維持し続けている。通算404本塁打を放った中村紀打撃コーチから直接伝授された(1)打撃のタイミングでの手の動き(2)体の突っ込み防止(3)ポイントを内側から前へ(4)右手意識でスイング(5)右膝を内に入れる(6)筋トレ禁止、の注意事項をキャンプ以降も継続。「あまり意識せずできるようになっている。飛んでますね」とバットから生まれる成果を目で追った。秋には二塁手としての練習も始め、自主トレ中もノックを受け続けてきた。

オフの仕上がりが1つの決断を促した。6月25日のウエスタン・リーグ阪神戦(鳴尾浜)で死球を受け、左手尺骨を骨折。手術を受けた際にプレートを入れたが、11月末に予定した除去手術を回避した。「取れば1週間くらい休んでリハビリになる」。担当医に確認し、自主トレを優先させた。

来年入団する新人には、同じ右打ちの大砲候補生のドラフト1位、上武大・ブライト健太外野手(22)ら3人の即戦力大卒右打者がそろう。「自分が打てば試合に出られると思う」と、2歳上のライバルたちにも引くことはなし。立浪監督は、来春沖縄キャンプ第3クールから紅白戦などの実戦開始を明言。スタメンでのフル出場が目標かと問われると「もちろんです」ときっぱり。新指揮官への猛アピールを開始する。【伊東大介】