プロ2年目を迎えるDeNA入江大生投手(23)が、得意の一発ギャグを初勝利まで封印する構えを見せた。明大からドラフト1位で入団も、1年目は0勝4敗、防御率7・85。「2000個ある」とたびたびギャグを披露してきたが「結果が伴ってのことなので。今のままでは封印というか。1勝した時とか結果が伴った時に、その場の流れ、雰囲気でやろうかなと思います」と神妙な面持ちで話した。

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プロ1年目は開幕ローテーション入りを果たしたが、初白星をつかむことができなかった。8月には右肘のクリーニング手術を受けた。底抜けに明るい性格で、12月のファンフェスティバルでは「ピクトグラム選手権」では面白い動きでファンの笑いも誘った。だが、未勝利の段階で昨年のようにギャグを披露していると、不真面目にも取られかねないことを懸念した。和ませキャラクターを惜しむ新聞記者には「トランキーロです。落ち着いて落ち着いて」。新日本プロレスの内藤哲也のセリフを引用しながら、プロ初勝利まで焦らないように要望した。

入江が2軍に落ちた後、1軍ではフェルナンド・ロメロ投手(27)が「ロモちゃんペ」「クリティカルヒット」など一発ギャグをヒーローインタビューで連発し、一気に有名になった。入江は「僕も楽しみに見ている。続けてほしい」と願った。初白星を挙げた暁には、2枚看板となる可能性もある。

ギャグ復活のためにも、野球には真剣に取り組んでいる。自主トレでは肉体改造を行う予定。「知り合いのボディービルダーに聞きたい。知り合いというか、知り合いの知り合い。ボディービルダーというかフィジークですね」。フィジークとは、ボディービルより若干細く、ブーメランパンツではなくサーフパンツをはく競技だ。入江は見た目を変えたいわけではなく、トレーニング方法を聞く予定。「1つの部位でもいろんなトレーニング方法がある。例えば胸筋でもより繊細に、より細かくやっていきたい」。野球での動きにつなげることが大前提だ。

右肘手術の経過は順調だという。「1年目でけがして分かったことは、肘以外の筋力が落ちている時に負担が肘に来ていた。全身の部位を鍛えていければ。大きい筋肉だけでなく、動作をしながら動きながら負荷をかけたい。体のメカニズムを学んで」。今季の目標は1年間ローテーションを守ること。ギャグのストックはまだ1900以上ある。ネタ切れの心配はないだけに、初勝利から一気に放出していくつもりだ。【斎藤直樹】