ロジンを手に取り、ブルペンの傾斜を1カ所だけ白く染めた。楽天ドラフト6位西垣雅矢投手(22=早大)は、踏み出し足の足跡から約30センチ前をマーク。「大学時代から(早大)小宮山監督に教えてもらって。投げ終わった後に、膝の上に頭を乗せろと言われていて。ロジンの見え方で(横に)こっちいってるとか確認できるので、それを目印に」。腕を振り切ると同時に白いマークに目を向けた。

新人合同自主トレ第1クール最終日。新人では1番手でブルペン入りした。立ち投げながら28球。直球をメインにカーブ、スライダー、カットを投げ込んだ。大事にしていることは「バランスですね。球数は多く投げられるんですけど、7割くらいの力でバランスよく、同じ力で投げるということを大学時代に意識していました」。そのための白いマーク。キャッチボールでも、体がぶれているときはロジンを手に取り地面に落とす。追いロジンならぬ“置きロジン”で、バランスを確認した。

早大で培った小宮山イズムが、ちりばめられた初ブルペン。大学時代は30イニング連続無失点を記録し、プロの扉を開いた。プロ入りが決まり、小宮山監督からは「いろいろお話ししてもらったんですけど、とりあえずケガをするなと言われました」。精密機械の異名を持ち、プロで活躍した恩師の教えを胸に秘め、第1クールを終了。「慣れないところで練習している疲れもあり、体の疲労もありなので、明日(休養日)はゆっくり休みたい」。心地よい疲労感を感じながらブルペンを降りると、白く染めたマウンドに土をかけた。【栗田成芳】

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