守護神の完全復活でV奪回だ。ソフトバンク森唯斗投手(30)が14日、宮崎市内での自主トレを公開した。昨年は左肘の手術もあって30試合の登板にとどまった。V逸の大きな要因ともなっただけに不動のクローザーとして藤本政権1年目のVの使者となるつもりだ。

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午前8時30分から始まったランニングメニューでは先頭を切って走った。「自分もしっかりやらないといけない立場だし、やっていきます」。甲斐野、奥村、津森ら後輩を引き連れての「森組」を率先して引っ張っている。「やっぱり、投げられないことが一番つらかった。本当にそこだけ」。昨年は左肘にメスを入れ、シーズンの大半をチームから離脱。入団から続けてきた50試合超の登板も7年で途切れた。さらにチームは8年ぶりのBクラスに転落。勝ちゲームなら何連投でもOKと豪語するタフネス右腕にとって、初めて経験する屈辱だった。

9回のマウンドは誰にも譲るつもりはない。「そこはもう1回、自分の力でつかみ取らないといけない。いい投手はいっぱいいますし、もっともっとやらないといけないかな、と思う」。7日に自主トレを開始し、この日は2日連続でブルペンに入った。20球の投球だったが、力のある直球を投げ込み報道陣にも「復活」をアピールした。球団最速となる500試合登板まで残り65試合。150セーブも残り29セーブと節目の数字が待ち受ける。記録には無頓着だが自信はある。「自分がしっかり結果残せば、そういう数字はついてくると思う。まずは自分がしっかり戦える体をつくってやろうと思う。そこが一番大事と思う。もっともっといけるだけ投げる」と力を込めた。

尊敬するサファテが昨年限りで引退。「しっかり優勝できるようにしたい」。今年こそクローザーの完全復活で優勝の2文字をたぐり寄せる。【佐竹英治】