オッス! オラ龍聖! 巨人ドラフト2位の山田龍聖投手(21=JR東日本)が必殺の“かめはめ波ボール”でチームを救う。18日、ジャイアンツ球場で行われた新人合同自主トレ第2クール初日に参加。「かめはめ波」と刺しゅうされた練習用グラブを手にノックなどで汗を流した。室内では傾斜で立ち投げを行い“初ブルペン”を終えた。最速153キロ左腕の「ドラゴンボール」ならぬ、ウイニングボールを集める旅が始まる。

必殺の“かめはめ波ボール”がさく裂した。山田が全身に凝縮されたエネルギーを白球に込めた。指から放たれた直球は、捕手役を務めた大勢のグラブに一直線に収まった。立ち投げの“初ブルペン”で背番号と同じ28球を力強く投げ込んで、「久しぶりに傾斜で投げて楽しかったです」と初々しい笑顔を見せた。

“ドラゴンボール魂”を胸とグラブに刻む。練習用グラブには「かめはめ波」と主人公・孫悟空の師匠・亀仙人の「亀」と刺しゅうされている。「ちょっと遊び心を込めて入れてみた。ドラゴンボールが好きなので。小学校、中学校からテレビで見ていました。『ドラゴンボールZ』も『ドラゴンボールGT』も全部見てます」とほおを緩めた。

“かめはめ波ボール”を会得するために、並外れた修行? を積んできた。戦いごっこで、力をためて「かめはめ波ー!」を繰り出した少年時代。「誰もが通る道ですよね」と照れ笑いで振り返る。もちろん本職の投球でも修行を欠かさなかったからこそ、今の必殺の直球がある。「一番の武器はストレート。(かめはめ波のように)なればいいですけど(笑い)」とより一層磨きをかける。

普段はおとなしく、ちょっぴり天然だが、マウンドに上がると一変する。1球1球、雄たけびを上げる。鬼の形相で強気にズバズバ内角を突く。ギャップあふれる姿は、好きなキャラクターだという孫悟空の長男・孫悟飯と重なる。「おとなしいけど強い。あの感じが好きです」と心を奪われた。

天下一武道会ならぬ“天下一プロ野球界”での活躍を目指す。チームの危機を救うヒーローへ-。「勝ちにこだわってやっていきたい」。大冒険はまだ始まったばかりだ。【小早川宗一郎】

<山田龍聖(やまだ・りゅうせい)アラカルト>

◆生まれと名前の由来 2000年9月7日生まれ、富山・氷見市出身。たつ年生まれで「龍」、父聖一さんから1字取って「聖」で龍聖と名付けられた。

◆甲子園 高岡商(富山)3年夏に2勝を挙げ、3回戦では根尾(中日)、藤原(ロッテ)、横川(巨人)らを擁して春夏連覇を果たした大阪桐蔭を8回3失点11奪三振と苦しめた。U18日本代表にも選出。

◆社会人野球で成長 U18日本代表で「周りに比べて劣っている」と感じ、大学より高いレベルを求めてJR東日本に入団。ドラフト会議後の昨年11月の都市対抗野球では1回戦敗退も、準優勝したホンダ熊本を相手に8回途中3失点10奪三振。原監督の前で気迫の力投を見せた。

◆漫画好き 「ドラゴンボール」以外にも、入寮時にはあだち充氏の野球漫画「H2」を全34巻を大人買いして、持参した。