みちのく球児2人が東京6大学リーグで奮闘している。「飛躍! 2年目のシーズンへ-」と題し、立大の1年生コンビに、今日と来週の2回にわたり、来季へ懸ける思いを聞いた。第1回は、仙台育英(宮城)で主将を務め、20年の甲子園交流試合に出場した田中祥都内野手だ。昨季のルーキーイヤーにリーグ戦デビューを飾り“神宮初安打”をマークするなど充実した1年を送った。手応えと課題を胸に、「勝負の2年目」に挑む。

田中は2年目となるシーズンに向け、決意を新たにした。「あの大きな舞台(神宮)で結果を残し、チームが勝つためにどう貢献するか。守備と打撃の両方でしっかりやっていきたい」。昨春のリーグ戦は勝ち点1・5差で惜しくも2位。同秋は4位と悔しい結果に終わった。攻守でチームのリーグ制覇への一翼を担う覚悟だ。

ルーキーイヤーから鮮烈なデビューを飾った。昨秋、早大とのリーグ戦に「2番三塁」でフル出場し、いきなり“大学初安打”を含む2安打をマークした。「試合に出させてもらって良い経験になった。自分の中で大きな財産になった」。同リーグ戦は全10試合に出場。ドラフト指名を受けたDeNA徳山壮磨(22=早大)と、楽天西垣雅矢(22=早大)の両右腕から安打を放つなど好投手から結果を残した。「プロにいく投手のすごみを打席の中で感じることができた。球のキレ、勢い、迫力はすごかったです」と学生野球最高峰のレベルを肌で実感した。

貴重な経験を積んだ一方で、課題も残った。「自分の実力は、まだ通用しない部分もある。(リーグ戦の)後半にかけては、自分のスイングができなかった」。通算成績は31打数6安打。打率1割9分4厘と低迷。第5節以降は無安打と快音は響かなかった。今冬はウエートトレーニングでスイングスピードの向上に着手。「パワーをつけて、体の強さとスピードを出していきたい」とシーズンを通して戦い抜く体作りに取り組んだ。

将来は「大卒プロ」入りを意識し、東京6大学では「ベストナイン」と「首位打者獲得」の大きな目標を掲げた。飛躍の年へ、田中が新たな1歩を踏み出す。【佐藤究】

◆田中祥都(たなか・しょうと)2002年(平14)11月14日生まれ、兵庫県加古川市出身。仙台育英では2年春に初のベンチ入り。2年秋から主将。3年夏の甲子園交流試合に出場。171センチ、71キロ。右投げ左打ち。家族は両親と兄4人、弟。好きなプロ野球選手はオリックス吉田正尚。趣味はゴルフ。好きな芸能人はお笑いコンビ千鳥。