キャンプ初日から、元気な姿をファンに届ける! 楽天田中将大投手(33)が29日、楽天生命パークでの自主トレを公開。コロナ禍により球界にも感染者が増えている状況だが、自身9年ぶりとなる2月1日のキャンプインへ、昨年以上の順調な仕上がりを強調。目前に迫った球春到来へ気持ちを高めた。

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日米通算プロ16年目のベテラン・田中将にとっても、感慨深いキャンプになりそうだ。昨季のチーム合流は2月6日。“プロ野球選手の正月”を沖縄で過ごすのは13年以来となる。メジャーのキャンプも日本よりスタートが遅いため、今オフは早めの調整を心がけてきた。とにかく状態を上げることを意識。「去年の今ごろよりは数段上のところに自分を置くことができている」と手応えをつかんでいる。

日本球界復帰となった昨年のキャンプは、思い通りにいかないところもあった。古巣とはいえ、初対面の選手が多数。「手探りでずっとやってきた部分もあったが、今回2月1日から『よーいドン』ということで。よりいろんなことに集中しながらやっていけると思う」とうなずいた。

昨季は4勝9敗と満足いかない数字だったが、後半戦は自身が納得する投球の感覚をつかみ出してきた。「その部分を継続しながらも、さらにいいものを作っていけたら」と前を向く。まずはしっかりとした直球がテーマ。すでに捕手を座らせて投球練習を行っており、この日はブルペンで直球のみ20球を投げた。「変化球はいつでも投げられる」。まずは投手の礎となる武器を磨いていく。

キャンプは感染対策を徹底した上で、2年ぶりに有観客で開催される。今季の目標を「チームの日本一」とはっきり示した。メジャー挑戦前最後のシーズンとなった13年は、24勝0敗1セーブの圧倒的な成績でリーグ優勝と日本一へ導き、「神様仏様田中様」とも呼ばれた。チーム2度目の栄光の立役者となるために。沖縄の地で奮起する。【湯本勝大】

◆楽天田中将の昨年のキャンプ 1月30日に都内で入団会見を行い、チーム合流は第2クール初日の2月6日。翌7日に初めてブルペン入りし、17日までの間に計5度のブルペン投球を行った。初実戦登板は20日の日本ハムとの練習試合。中田(現巨人)に1発を浴び、2回4安打3失点だった。

◆クオリティー・スタート(QS) 投手の成績評価項目の1つ。先発投手が6回以上を投げ、自責点3以内に抑えたときに記録される。