ロッテ横山陸人投手(20)が2日、迫力あるブルペン投球を繰り広げた。

サイドスローながら本格派と形容したくなる若き右腕は、最速153キロを誇る。加藤匠馬捕手(29)を相手に33球を投げ終えると、受け手がドラフト1位の松川虎生捕手(18=市和歌山)に代わった。その初球だった。

ポロッ。

しっかり収めたかと思われた松川のミットから、白球がこぼれ落ちた。「自分の中でもいい球ではなかった」と横山。「たぶん、自分の球が不規則なので、それで取り損ねたのかなと思います」と後輩をおもんぱかった。その後も球威豊かな球を続け、2球目以降はじっくり捕球の瞬間まで見つめた松川の技術もさすがだった。カーブも交え、合計49球を投げた。

専大松戸(千葉)から入団し、プロ2年目の昨季に1軍デビュー。阪神戦がデビュー戦だった。高校時代には届かなかった甲子園が、記念すべきマウンドになった。「初登板もそうですし、投げていくにつれて状況も少しずつ見えてきて、1点差負けで投げさせてもらった場面はすごく緊張しました」。将来性を大いに期待させるシーズンになった。

この日の球威は、シーズンオフの充実ぶりを物語った。「まずはしっかり、ブルペンやオープン戦で監督やコーチにアピールできるよう、食らいついていきたいです」と見据える。近未来の必勝リレー入りを目指す20歳は「まずは1年間、1軍に居続けること。その中で40試合に投げられたら」と掲げる。佐々木朗の同期。そんなイメージから脱却し、横山陸人として目立てるだけの力がつき始めている。【金子真仁】