全国屈指の名門で右腕を振る。北東北大学野球の青森大・三野宮協太投手(4年=八戸商)が社会人野球のENEOS(横浜市)に入社が内定したことが分かった。青森・八戸市出身の最速150キロ右腕は昨秋、自身初の最優秀選手賞とベストナインを受賞。持ち味を存分に発揮し、都市対抗と日本選手権の「2大タイトル制覇」に貢献する。

ENEOSは昨年の都市対抗で8強入り。三野宮は「早く試合に出たい。若い方が多く試合に出られて活躍されているので、自分も負けないように頑張らなければいけない」と、新天地での飛躍に向けて気持ちを引き締めた。色紙に記した言葉は「勝てる投手」。チームに欠かせない存在になるべく、1歩ずつ成長していく。

大学最後となった昨秋のリーグ戦は先発と中継ぎで32回1/3を投げ自責点は3。防御率0・84と安定感抜群の投球を見せた。だが、チームは富士大(岩手)とノースアジア大(秋田)の三つどもえによるプレーオフで敗退し、惜しくも優勝には届かなかった。これまで全国舞台の経験はないが、最速150キロの直球と多彩な変化球を制球力良く投げ込む。アピールポイントは「どんな状況でも強いボールを投げられること」と力を込めた。

目標とする投手は沢村賞などのタイトルを獲得し、NPB通算129勝の日本ハム金子千尋投手(38)。中学時代、オリックスのエースとして活躍していた金子の投球に感銘を受けた。「140キロを超える直球とチェンジアップで空振りをたくさん取る姿を見て、こういう選手になりたいと思った」。都市対抗は東京ドーム、日本選手権は京セラドーム大阪で開催されており、ベテラン右腕が立ったマウンドを目指す。

都市対抗11回、日本選手権2回の優勝を誇る名門で新生活をスタートする。「どこの場面でも最高の結果を残せるようにしっかり努力していきたい」。誕生日は8月9日。“野球の日”に生を受けた右腕が、社会人でも快投を演じる。

◆三野宮協太(さんのみや・きょうた)1999年(平11)8月9日生まれ、青森・八戸市出身。柏崎小4年時に野球を始める。八戸三中-八戸商-青森大。青森大では1年秋からベンチ入り。4年で最優秀選手賞、ベストナインを受賞。右投げ右打ち。173センチ、77キロ。家族は母、兄2人。好物はすし。