“DJ新庄”が誕生した。日本ハム新庄剛志監督(50)が5日、沖縄・名護の春季キャンプでマイクを握り、練習を見学する観衆を盛り上げた。選手にも緊張感を生み出し、万波中正外野手(21)ら外野手たちには、ゴールデングラブ賞10度の“技”を手取り足取り直接アドバイス。上限いっぱいの2500人が駆けつけた初の週末は、中身の濃い練習を繰り広げた。6日は初の紅白戦が行われる。

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マイクパフォーマンスでは右に出る者はいない。キャンプ5日目にして、新庄BIGBOSSが初めてマイクを握った。「ファンの皆様。これから『これがプロ』という、カッコいいシートノックをお見せします! 楽しんでいきましょう!」。2月最初の週末。久しぶりの晴天に誘われて、集まった観衆は上限いっぱいの2500人。DJ新庄による“実況”付きの守備練習に、太陽が照らす緑の芝と黒土が、即席のライブ会場に様変わりした。

内外野の連係を確認する総合守備練習での一コマ。強風で声が通りにくいと判断すると、マイクを受け取り「1死満塁。8回、2-1で守備が勝っている」と、状況設定を細かく指示。飛球を処理した今川には「もっと、後ろから(助走を付けて捕球)。余裕あるから」とマイクを通して助言した。若手有望株の万波は「気が引き締まる。より緊張感が出ました」。ファンサービスの面だけではなく、練習自体にも緊迫感を生み出した。

総合守備練習前には、外野陣に直接指導する姿もあった。打球へのチャージの仕方などを指南。走るスピードを緩めないことを求め「(足の運びを覚えれば)“間”ができる。この“間”だけを覚えなさいって」。ゴールデングラブ賞10度獲得の“技”を惜しみなく伝授した。2日目にはフラフープを使った送球練習も実施しており、「みんな(コツを)つかんでくれたのはあるね」と手応えも感じている。午前中に満員札止めとなった観衆を巻き込んで、選手の士気を最大限、引き出したBIGBOSSは「拍手が増えると、選手も燃えて来る」。球場に響くDJ新庄の“声”が、教え子たちの進化を後押しする。【中島宙恵】

▽日本ハム今川(新庄監督から学んだ打球へのチャージの仕方について)「僕自身が相手側なら、外野手のチャージが早ければ(三塁コーチは)回しづらいと思う。言うことの1つ1つに意味がある」