1軍未経験の技巧派左腕が、開幕ローテーション入りへ猛アピールした。日本ハムの2年目左腕、根本悠楓(18)がロッテとの練習試合に先発登板。3回1安打4奪三振無失点と好投し「いいアピールができている。この状態が続けば」と初の開幕1軍を見据えた。

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ロッテ先発の佐々木朗が初回に163キロをマークし、スタンドを沸かせる中、対照的に緩急で勝負した。「相手は意識しなかった。球速も見ていない。自分の投球だけ考えた」と、145キロ前後の直球と100キロ台の変化球を武器に、40キロ以上の球速差を駆使。2回はカーブ、スライダー、直球と、異なる球種で3者連続見逃し三振を奪い「カーブは結構使えて良かった。緩急で抑えるのも1つなので」と淡々と振り返った。

173センチ、77キロ。プロ入り後は、体格が似ている同じ左腕のオリックス宮城の投球動画を見て、間の取り方や、緩いカーブの生かし方を学んでいる。「ストライクのとり方とかを見て、うまいなと思った」。昨季、高卒2年目で大ブレークした“手本”にならい、自身も2年目の飛躍を期す。

11日の阪神との練習試合では3番手で登板し、2イニングを投げ3奪三振無失点と好投。自己最速146キロをマークするなど3三振すべて直球で奪ったが、この日は変化球でも2三振と、新たな引き出しを開けて見せた。「チェンジアップは制球が良くなかった。75点ぐらい。3回に球が浮いてしまったので修正したい」。03年3月31日生まれの18歳が、ベテランのような老練な投球術で、チャンスをつかむ。【永野高輔】

◆根本悠楓(ねもと・はるか)2003年(平15)3月31日、北海道白老町生まれ。白老白翔中3年時に夏の全国大会決勝で完全試合を達成して優勝。17年にはU15日本代表でアジア選手権Vに貢献。苫小牧中央では1年夏からベンチ入りも、甲子園出場なし。20年ドラフト5位で日本ハム入団。1年目の昨季は2軍で12試合に登板し、1勝1敗、防御率1・82。今季推定年俸520万円。173センチ、77キロ。左投げ左打ち。

▽日本ハム武田コーチ(根本の好投に)「思っていた以上の出来。ローテーションを目指してほしい。カウントが不利な状況でも変化球でカウントをつくれる。打者に対して淡々と投げている。18歳なのに引き出しをたくさん持っている」