ロッテの新戦力が頼もしい。20日のヤクルト戦(浦添)で沖縄本島での練習試合4戦が終了。

ドラフト1位の松川虎生捕手(18=市和歌山)は「6番捕手」で3戦連続スタメンマスク、「1番二塁」の同2位・池田来翔内野手(22=国士舘大)は4戦連続フル出場で打率5割3分3厘と、積極起用に応えている。22日からの宮崎遠征で、ポジション争いはさらに激化するが、そろって開幕1軍切符をつかむ可能性も十分にありそうだ。

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松川の落ち着きぶりが際立つ。捕手として、ここまで17イニング連続無失点に導いてきたが、18イニング目の4回に2点を失った。2死一、二塁からの二ゴロで、長いイニングが終わるも、ホッとひと息…にはしなかった。アウト後も、二走赤羽が本塁へ駆ける。松川は、赤羽がホームベースをちゃんと踏むかを凝視していた。

3戦連続でスタメンマスクをかぶった。前日19日にエース格の佐々木朗、小島を受けた翌日の先発投手は、緩急で勝負の佐藤奨。対話しながら、それぞれの良さを引き出した。「投手のいいところは意識しています。過去は過去で、今が大事なので」と失点は気にしすぎず、前を向いた。

目標は明確だ。「開幕1軍は僕の中でもありますし、本当に残りたいです」。まだ高校の卒業式を迎えていない有望株を、井口監督はどう見るか。「(正捕手候補として)勝負させているのか?」という問いに、迷わず答えた。

「勝負させてますよ。勝負させる位置にいるのでね。勝負させているし、他の捕手陣がそう感じているんじゃないですか」

この日は奥川と梅野から右前打を放ち、バットでもアピール。指揮官は「(打順は)安田より上に上げてもいいくらい」と、今後の中軸起用の可能性も示唆した。正捕手候補筆頭の田村らの合流は、3月に入ってから。松川は浮足立たず、捕手としてやるべきプレーを忘れない落ち着きで、1歩1歩、進む。【金子真仁】