先発ローテーション入りを目指すソフトバンク田中正義投手(27)が、快投を披露した。

西武との練習試合。先発マウンドで、圧巻の投球を見せた。先頭鈴木への初球。148キロの直球で空振りを奪い、波に乗った。「初球からいいボールが行っていたのは分かっていた」。自信を深め、直球で押した。鈴木は151キロの真っすぐで空振り三振。続く2番外崎の4球目は、球場表示でこの日最速の156キロを計測。カウント2-2からカットボールで連続空振り三振に切った。3番森は遊飛に仕留め、立ち上がりを3人でピシャリと抑えた。

6年目の開花を誓う右腕にとって、サバイバルのマウンドだった。「結果が求められる立場。もうガムシャラに腕を振っていくだけと思う」。2回は山川、中村の強打者を140キロ台後半の直球でともに右飛。ブランドンもストレートで詰まらせ、二飛に仕留めた。2回打者6人、25球のパーフェクト投球で締めくくった。藤本監督も「良かったね。あの調子でイニングを増やしていけば。テンポも良かったし、合格です。今日は一番良かった」と称賛。次回以降の登板に、大きな期待を寄せた。

田中正は今キャンプからゴーグルを着用し、視界も良好。「これからどんどん競争で結果が求められる。ベストに持っていけるようにしたい」。5球団が競合した16年ドラフト1位右腕が、ようやく覚醒のシーズンを迎えようとしている。【佐竹英治】