ロッテ佐々木朗希投手(20)が160キロ台を連発した。ソフトバンクとのオープン戦に先発し5回2安打9奪三振で無失点。36球投げた直球は、自己最速タイの163キロを含む23球が160キロを超え、平均球速160・1キロをマークした。フォークもこれまでの自己最速だった146キロを上回る149キロを計測。メジャーでも難攻不落の球の1つに挙げられるエンゼルス大谷翔平投手(27)と類似した球速帯を駆使して快投し、今季の大ブレークを予感させた。

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初球からの160キロに球場がどよめいた。速い。佐々木朗は161キロ、162キロと連発しソフトバンク打線を押し込んだ。2回2死、中村晃を空振り三振に仕留めた球は外角低めの163キロ。初回の7連続をはじめ直球の64%が160キロオーバー。規格外のスピードで驚かせ、登板後「内容はあまり良くなかった」と言って、さらに驚かせた。

口をついたのは「163キロ出たのは良かったですが、質だったりとか。その球自体は良かったのですが、全体的なコントロールをもっとよくしていきたいと思う」という反省の弁だった。

だが、明らかに排気量が上がっている。160キロを超える球は高校時代に4球。先月の日本ハムとの練習試合で16球を記録していたが、この日だけで23球。フォークでも1回の三森への149キロや4回の柳田への148キロなど、それまでの自己最速だった146キロを上回った。「いつもどおり普通に投げていた」という力の入れ具合でも球速は出てしまう。

オフからキャンプも通しての取り組みとして、弱点を補う練習ではなく土台を強化することに努めてきた。「まんべんなくやりました」と体全体を強化。それが3年目の成果となって表れている。

16本(バント失敗を含む)あったファウルは、変化球を含めて1本も引っ張られなかった。三森とリチャードのバットを折り、甲斐にも折れてるのでは? と疑わせた。カーブのストライクが入らず、緩急を使えなくても、速いと思っている相手の予測を上回り圧倒した。

井口監督は開幕後の登板日について「ふっ(笑い)まだ決めてはいません。ある程度、決めてはいますけどね」とけむに巻き、次回は登板間隔を空けることを明言した。石川の先発を公表している開幕戦以外、どこにでも投げられる形になる。百戦錬磨の指揮官は「どの球団にとっても朗希は脅威になってくると思いますね」という言葉で、今季の活躍を予言した。【竹内智信】

 

◆昨季の大谷の投球 「スタットキャスト」によると、直球の平均球速は95・6マイル(約154キロ)で、最速は4月4日ホワイトソックス戦でマークした101・1マイル(約163キロ)。

スプリットの平均球速は88・2マイル(142キロ)で、93マイル(約150キロ)もマーク。被打率0割8分7厘(127打数11安打)、被本塁打0の球種で、77三振の結果球となった。MLB公式サイトではデータ分析担当のアドラー氏が「最も打たれない球種」として挙げた。

球種の割合は、全2027球のうち直球が895球(44・2%)スライダーが442球(21・8%)スプリットが371球(18・3%)カットボールが247球(12・2%)カーブが72球(3・6%)だった。