3・26ヤクルト戦へ、評価は不変だ。阪神藤浪晋太郎投手(27)が、楽天とのオープン戦(甲子園)で苦戦した。

左打者9人を並べられて4回5失点(自責4)。それでも矢野監督から「全体的には悪くない」と及第点を与えられ、有力視される開幕2戦目の先発マウンドへ、また1歩前進した。

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数字に揺さぶられない信頼度が明らかになった。左打者9人を並べた楽天打線を相手に、4イニングで100球を要した。5三振を奪いながら7安打2四球で5失点。先発6番手争いで足踏みかとも思われたマウンドの後、指揮官は「全体的には悪くない。バランスも悪くない」と藤浪に及第点を与えた。

1回は自らの失策で傷口を広げた。無死一、二塁、3番山崎の犠打を丁寧にいきすぎたのかファンブル。無死満塁から一ゴロ野選、適時打、押し出し四球で3点を先制された。ただ、5番銀次の中前適時打は詰まらせたもの。押し出し四球も3ボールから5球連続でストライクを投じた末の粘り負けだ。制球面でドタバタ崩れた形ではなかった。

3回には甘く入った直球を痛打され、3安打を集められて2失点。「気持ち良く振られたというか、相手のリズムで打たせてしまった。変化球、スプリットの反応だったりがちょっと悪かった。もう少し外のカットボールとかツーシームとかも広く使えれば良かった」。本人は登板後に猛省したが、首脳陣の信頼は簡単には崩れない。

2月は実戦4試合登板で計10回を2失点。キャンプ投手MVPにも選ばれた。ドラフト3位桐敷との先発6番手争いで大きくリードする立場に変化はなさそうだ。指揮官は長いシーズンを見据えた上で「後ろにファウルが飛ぶとか、空振りを真っすぐで取れるとか、そういうものも必要」とさらなる向上に期待する。

現状、開幕2戦目となる26日ヤクルト戦での先発が有力視される立場。もちろん、もう1度状態を上げていく必要がある。「もう少し精度よく入れればと思います。相手のスイングをさせすぎているので、もうちょっと相手の嫌がるピッチングというか…いろいろ工夫してやっていければと思います」。次回こそ、開幕ローテ入りに当確ランプをともす。【佐井陽介】